
解体工事は、構造や種類によって工事内容と金額が変わってきます。
「建物の解体」といっても、一般的な居住用の戸建て住宅だけではなく、ビル、マンションや倉庫など、解体工事の対象となる建物の種類や構造はさまざまです。
ここでは解体工事の種類やその特徴、解体工事の流れや注意点などを解説します。
解体工事の種類とは
建物の構造といっても知識のない方であれば、外側から見てもわからないと思います。
木造住宅(W造)や鉄筋コンクリート造(RC造)、重量鉄骨造(S造)、軽量鉄骨造(S造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)など、居住用の戸建て住宅にも、建て方の種類がいくつかあります。
外観が同じように見えても、内部の構造によって解体工事の金額が異なることがあります。
見積もりを依頼する際には、事前に建物の構造を把握しておいた方がよいでしょう。

木造住宅(W造)
木は他の工業製品と比べて、自然由来の材料です。つまり生きた材料なのです。木は水分を吸収すると膨張し、乾燥すれば水分を発散して収縮します。まさに生きていると言えます。また木材1つみても、節があったり密度が異なるなど、耐震性の観点からは扱いにくい側面もございます。しかし、法隆寺が1300年も立ち続ける姿をみると、木造の潜在能力の高さを感じざるを得ません。
総務省統計局の住宅・土地統計調査によれば、平成25年時点で日本国内にある戸建て住宅のうち、実に92%が木造住宅ということです。
また、木造の中にもさらになど、複数の建築方法があります。中には、「混構造」といって、1階が鉄筋コンクリート、2階が木造という建物もあります。

鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋コンクリートは、鉄筋とコンクリートを組み合わせた材料です。コンクリートは石に近い性質を持っており、圧縮には強いですが、引張りの力には弱いです。
そこで引張力に強い鉄筋を組み合わせることで、とても優秀な材料になりました。
鉄筋コンクリート造は、比較的耐震性が高い構造として認知されています。
一般の戸建て住宅としては少ないですが、建物の主要構造部(柱や梁)には大量の鉄筋が使われているため壊しにくく、木造や鉄骨造よりも鉄筋コンクリート造の方が解体費用は高くなります。
重量鉄骨造(S造)軽量鉄骨造(S造)
重量鉄骨造は鉄骨造の一種です。後述する軽量鉄骨造との違いは、「板の厚み」です。板厚が4.5mm以下の鉄骨は軽量鉄骨です。6.0mm以上から重量鉄骨造となります。
重量鉄骨造は板が厚い分、大きな力に耐えることができます。軽量鉄骨造と比較しても、明らかに耐震性は高い材料です。また鉄骨は、軽くて強度、剛性が高い特徴があります。そのため、RC造なら柱が沢山必要でも、S造なら柱を少なくできる、というメリットがあります。
軽量鉄骨造は、住宅メーカーのアパートとして軽量鉄骨造は多く採用されていますが、耐震性は定かではありません。というのも鉄骨の板厚が薄い分、大きな力には耐えられないです。
同じ鉄骨造でも、重量鉄骨造とは全くの別物と考えたほうが良いでしょう。けっして耐震性は高くありません。
戸建て住宅のうちに占める割合は数%ですが、大手住宅メーカーでは「軽量鉄骨造の建物が主力」という会社もいくつかあります。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
SRC造は鉄筋コンクリートに鉄骨を組み合わせた材料です。SRC造の柱を例にすると、柱の芯に鉄骨があり、その周りをRCで包んだ構造です。鉄骨のしなやかさと、鉄筋コンクリートの強さを兼ね備えています。
建物構造の中では、最も耐震性に優れ、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、両方の良さを引き継いだ建物構造だと考えてください。
その耐震性の高さから、重要度の高い複合施設やビル、津波避難施設などはSRC造が採用されます。
一般の戸建て住宅としては少ないですが、建物の主要構造部(柱や梁)には大量の鉄筋が使われているため壊しにくく、木造や鉄骨造よりも鉄筋コンクリート造の方が解体費用は高くなります。
長屋の解体について
昔から狭い土地を有効に使うため「長屋」といって建物の壁を隣の家と接して建てる方法があります。総務省統計局の住宅・土地統計調査によれば、平成25年時点で、日本国内に長屋は約129万戸あり全住宅の2.5%を占めています。
長屋を解体するには、隣の建物とくっついている壁の切り離しが必要となるため、作業は困難です。
特に、古くからある木造長屋の場合、解体工事の振動によって隣の建物に損傷が生じることもあります。
また、無事に解体が終わった後には隣の家の壁を補修する必要がありますが、通常、この費用は解体する側の負担となるケースもあります。
このように、難しい作業を伴い、さらに隣の壁の養生費用も必要となるため、長屋の解体工事は工事代金が高くなります。
そのため、解体工事業者を選定するときには、このような難しい作業の経験を積んでいるか、万一の場合に補償できるだけの資力があるか、工事保険に加入している事業者であるか等もポイントとなります。

マンション等の解体
マンションの解体等は、ほとんどが鉄骨造または鉄筋コンクリート造であるうえ、建物も大規模となるため解体工の工事費も高額になることが多いと思われます。
また、工事代金が500万円を超える解体工事を引き受ける場合には、建設業の許可が必要となります。
建物を壊す解体工事に建設業許可が必要で、建設業の許可は現在29業種あり、その一つに「解体工事業」という建設業許可があります。
もし、見積金額が500万円を超えるような解体工事の場合には、依頼する解体工事業者が建設業許可をもっているか確認しておく必要があります。
ただし、解体工事業の許可は平成28年に新設されたばかりですので、平成31年5月31日までは「とび・土工工事業の許可があれば解体工事を受注できる」という経過措置があります。
内装の解体
建物を丸ごと壊してしまうだけが解体工事ではありません。
たとえば、リフォームするために既存の内装を解体する場合や、テナントビルの一室を改装するときに既存の内装を撤去するのも解体工事です。また、借りていたテナントを返却する場合には、元のスケルトンの状態に戻さなくてはならないケースもあります。
テナントビルの内装を解体する場合には、必ずビルオーナーの同意が必要です。
また、どの範囲まで解体するのか判断できない場合もあるので、解体工事の見積もり時には、ビルオーナーまたは管理会社に立会いして、確認しておくことをおすすめします。
まとめ
解体する建物の大きさだけでなく、建物の種類によっても、解体工事の見積もり金額も変わってきます。
解体工事は、通常、高額な契約となるので、自分が解体を依頼する建物の種類や特徴を事前に把握しておきましょう。











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